紅うすく風に舞い落つ |
午後はやくかげる狭庭の蔦葛 |
自販機五台が働いている |
休業と紙に書かれし駄菓子屋に |
二千年の朝迎えんとする |
おごそかに蝋の火灯し仏前に |
百年位は生きる勢ひ |
願ひごと便箋二枚に羅列して |
ももかぼたんかつばきか口紅 |
どの色にするかと問われる春の午後 |
∫
露 ∫ |