蘂残りたり今朝の桜木 | 萌え出づる葉群れの間くれなひに | 足裏に確かと草の弾力 | 咲き満つる桜を巡りてゆくわれの | わが生涯の満朶の桜 | あと幾度巡り会えむか恙無き | ひかりのなかを散りゆく桜花 | どんよりと咲き極まりて朧夜の | ||||||||||||
覆ひつくすか降る桜の雪 | 木の下に人が忘れし悲しみを | バケツとシャベルの番兵がいる | はなびらに染まる公園砂の城 | 桜花愛でてゆくこの空の下 | 大国の庇護受けている朗らかに |
さくら さくら止めどなく散る |
見目の良き女もそうではなきわれも |
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