どしゃぶりの雨さわやかにきく |
言葉ひとつ選びとりたる瞬間に |
紋白蝶の来てはまつわる |
窓ごしにトマトの黄の花みてあれば |
網戸へだてて昼餉楽しむ |
わが皿の二切れ野良猫に分けあたえ |
受診の結果まだ出ぬ真昼 |
冷麺の氷の角が丸くなる |
慟哭を聞く無言館の午後 |
強いられて戦地に散りし魂の |
∫
露 ∫ |